倫理の名のもとで潰される正論と、結局どうすればよかったのか
ここ一ヶ月、仕事があって無いに等しい状態だった。
なんかしら勉強しても良かったのだが、やる気が起きなかったので、ニュースサイトとはてなブログの過去ランキングを漁ってた。
はてなブログ、ランキングに挙がっているのを見ると、「こういう考えもあるんだ!」と思わせるものがちょいちょいあって面白い。
その中で一番気になったもの。
元々の記事の内容はこちら
両親学級の妊婦体験で男性がお腹に7キロの~~~
を読んだときは、他の人の反応と同じように、自分も「そうじゃねえだろ・・・」と思った。
ただ、はてなの反論をみて、「確かにそのとおりだ、その考えはなかった!」と驚きました。
この体験学習の意図は明らかで、つまり「妊娠している女性にかかっている負荷を体験してもらうことで、妊娠している女性の辛さを感じてもらう・少なくとも想像してもらう」こと。
それが「楽勝」レベルと感じさせる男が出現している時点で失敗。
そしてその男に対して想像力を期待するのもおかしい。
体験する対象の男がどういう層に属するのか不明なのだし、妊娠している女性の辛さを体験できてないんだから。
これがもし、男がムキムキマッチョなボディビルダーだったらと考えればどうでしょう。
7kgの負荷なんて、日常生活では誤差の範囲。
7kgの負荷体験なんてどうでもいいレベルだから、「妊娠している女性の辛さ」を想像力だけで補わなくてはいけない。
体験の意味、ある?
理屈的にはこれが正しい。
でも多分、この意見は通らないよね。
社会通念的なところで。
「妊娠している女性を配慮すべき」という価値観が前提で(これ事態、批難すべきものではない)「わざわざ負荷の体験までさせてやっているのに、それが分からない男の頭がおかしい」というのがモラル的に正論じみているから。
ちょくちょく反論にあるもので、
・筋力の男女差
・常時負荷がかかっていること
・妊娠時の体調について
・妊娠時は子を守らないといけない
などがあるけど、少なくともこの体験学習を通じて学べるものではない。
上に挙げたものを「出席している男性『全員』に」学ばせるのが目的なのであれば、これはもう体験学習の失敗としか言いようがない。
そうではなく、「出席している男性『の内、大体の割合』に」学ばせるのが目的なのであれば、腹筋しちゃった男性を責めるのが間違い。
だって「大体の割合」に入らない人であり、対象外なんだから。
まあ、何にせよこの体験学習で腹筋した人は、理屈とか抜きに「倫理的に」批判されちゃう。現にそうだし。
そして、倫理的に強い意見は尊重される。理屈抜きである。
言った本人も、それに酔うだろう。
これ、本当に怖いことだと思う。
倫理=常識 というふうに考えれば尚更。
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じゃあ、腹筋をしてしまった人が避難されないような学習方法ってなんだろう。
ちょっと考えてみました。
・体験学習を無くす
これが手っ取り早い。
体験なんてさせず、その分座学で補わせればいい。
「男女間における筋力の差」
「妊娠中の女性はどういう体調になりえるのか」
「妊娠中に気を使わなければいけないこと」
「妊娠中の女性に対する辛いことへのアンケート」
「妊娠中の女性がパートナーに望んでいることのアンケート」
「妊娠中の女性における歴史」
こういうのを全部調査し、データ化して提示したほうがマシ。
徹底的に提示することで、「理解が出来ない男が馬鹿」というふうにさせられればいい。
え、データだと理解できない男がいるから体験させてる?
じゃあ次。
・体重と筋力に応じて負荷を増大させる
これ、めちゃくちゃ面倒だと思うけど、一応の解決策。
・アトラクション化させる
負荷を加え、そして腹に対して外部から強い負荷を加えたらアウトなようにして、
擬似的満員電車・全力疾走してる男がたくさんいる道路・震度7の地震・フットサル・体力測定
まあなんでもいいけど、これらの状況に放り込む
これならわかりやすいんじゃない?
楽しそうだし。
何にせよ、7kg程度の重さで「全ての男に妊娠中の女の体験」をさせ、女性の大変さを理解させ、理解が出来ない男は馬鹿とする理屈はおかしいということです。
幸い自分は理解が出来たので、批難される範囲外ですが。